松岡秀樹氏が2020年に創業した「プロパゲート」。そのユニークなビジネスモデルは、無料でプロフェッショナルなウェブサイトを作成し、有料でメンテナンスサービスを提供するというものだ。中小企業や個人事業主を主なターゲットとし、すでに約2000のサイトを運営するまでに成長しているが、その道のりは決して平坦ではなかった。松岡氏が直面した大きな壁、そしてそれを乗り越えるための挑戦と成長の物語を聞いた。
WEBを通じて、中小企業を支援する使命感— 創業の背景
「私は以前リクルートで働いていました。5年間、そこで多くの中小企業や起業家と接する中で、彼らがどれだけ限られたリソースの中で努力しているかを目の当たりにしました。そして、そういったビジネスの成長を支えることが、自分の使命だと感じたんです」と松岡氏は振り返る。
プロパゲートを設立したのは、まさにこの思いからだ。彼は、小規模ビジネスが限られた資金でも質の高いウェブプレゼンスを確立できるよう、無料のウェブサイト作成と、メンテナンスを含む有料のサポートサービスを提供することを決意した。設立当初は、ウェブ制作に加え、ウェブマーケティングを活用して、顧客獲得の支援まで行うという広範なサポートを展開している。
コロナ禍で直面した「集客の壁」
プロパゲートの設立が決まったのは2020年、まさにコロナ禍真っ只中だった。「オフラインでの営業活動がほぼ不可能になってしまったんです。それまで対面での商談や交流を通じて顧客基盤を築くことができていたのに、それが全てストップしてしまいました」と松岡氏は当時を振り返る。
多くの企業が抱える課題の一つは「集客」だが、プロパゲートもその例外ではなかった。当初、SNSでの集客に力を入れ、直接ダイレクトメッセージを送り続けるなど、試行錯誤を重ねていた。しかし、SNSマーケティングには限界があり、事業をスケールさせるには他の手法が必要だと痛感したという。
「ダイレクトメッセージでは、数に限界がありますし、相手に興味を持ってもらえるかどうかもわからない状態で送るのは非常に非効率でした。もっと大規模に、そして効率的に集客できる方法が必要でした。」
SNS広告へのシフトで見えた光明
松岡氏が次に目を向けたのは、SNS広告だった。「SNSの限界を感じていた頃、競合他社が手をつけていないSNS広告に活路を見出しました。私たちは、SNSを単なる発信の場と捉えるのではなく、効果的な広告戦略の場とすることにフォーカスしました。」結果、この戦略が功を奏し、新たな顧客層へのアプローチに成功。事業の成長が加速した。
「競合がやっていないことをやる。これは、私たちが学んだ大きな教訓です。特にWEBマーケティングの分野では、状況に応じた柔軟な対応が求められます。従来の方法に固執せず、新しい戦略を積極的に取り入れることで、難しい時期を乗り越えられると実感しました。」
「無料×サブスク」の強みと、拡大する市場での挑戦
プロパゲートの最大の特徴は、無料でウェブサイトを作成できる点だ。「無料というと、どうしても質が低いのではないかと思われることが多いのですが、私たちが提供するのは本格的なビジネスウェブサイトです。しかも、その後のメンテナンスやカスタマイズは有料で提供するサブスクリプションモデルにしているため、継続的な支援も可能なんです」と松岡氏は説明する。
無料で始められることは、資金に余裕のない中小企業や個人事業主にとって大きな魅力だ。プロパゲートは、その点を強くアピールし、短期間で顧客基盤を築くことに成功した。そして、有料のメンテナンスサービスでは、SEO対策や更新作業、さらにはマーケティングアドバイスまで提供し、ビジネスの成長を強力にサポートする。
「特に小規模ビジネスでは、ウェブサイトの管理や更新に時間を割く余裕がないことが多いんです。そこをサブスクリプションモデルで支援することで、彼らが本業に集中できる環境を作り出すことができるんです」と松岡氏は語る。
アメリカ市場への展望—「さらなる成長の鍵は海外に」
国内で着実に顧客数を増やしてきたプロパゲートだが、松岡氏の視野はさらに広い。「アメリカ市場には大きな可能性がある」と松岡氏は強調する。「アメリカの小規模ビジネスオーナーも、質の高いウェブサイトを求めていますが、コストを抑えたいというニーズは日本と同様に強いんです。そこで、私たちのビジネスモデルが非常にフィットすると考えています。」
すでにアメリカ市場への進出を視野に入れたマーケティング戦略も開始しており、現地のパートナーシップや、SNS広告を活用したアプローチを進めている。「国が違っても、ビジネスの本質は同じです。挑戦を恐れないスピリットと、適切なウェブプレゼンスの提供があれば、どこでも成功できると信じています」と、松岡氏の目はさらなる挑戦に向かっている。
未来へのビジョン—「人々の挑戦を後押しする存在であり続けたい」
今後の目標について聞くと、松岡氏は力強く答えた。「私たちは、ウェブサイト制作やマーケティング支援を通じて、挑戦者や起業家の成長を後押しするパートナーであり続けたいと思っています。そして、業界の革新者として新たな価値を創造し続けることが、私たちの使命です。」
プロパゲートは今後も新たな技術やトレンドに敏感に対応しながら、ウェブ制作の枠を超えた包括的なサポートを提供し続けるだろう。「変化が激しい時代だからこそ、柔軟に対応し、お客様のニーズに応えることが重要です。私たちはその先頭に立ち続けたい」と松岡氏は意欲を見せる。
まとめ—プロパゲートの未来と、起業家へのメッセージ
松岡秀樹氏が率いるプロパゲートは、無料でウェブサイトを提供し、有料のメンテナンスで継続的なサポートを行うサブスクモデルを武器に、着実に成長を続けている。その背景には、起業家や挑戦者を支援する強い信念がある。「困難に直面しても、変化に柔軟に対応することで必ず道は開ける」という松岡氏の言葉には、彼自身の経験に裏打ちされた確信が込められている。
プロパゲートの挑戦は、まだ始まったばかりだ。これからも中小企業や個人事業主の成長を支援し、新しい市場への進出を図りながら、その存在感を一層高めていくことだろう。
会社名 | 株式会社プロパゲート |
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代表取締役 | 松岡秀樹 |
住所 | 東京都渋谷区神南1丁目5−6 |
設立年 | 2020年4月16日 |
事業・サービス名 | サブスクWEB制作 |
公式HP | propagateinc.com |